文部科学大臣政務官・下村博文(2004年9月就任)
- 政務官報告 part 142 - 2005年9月29日より,抜粋
「国立大学法人における学長選考について」
先日、国立大学法人の学長選考の結果について説明があり、新たに学長に任命するのは文部科学大臣ということで、私のところにもその説明とこのことについての原議書の決裁印をもらいに担当者が来た。文部科学省に入って驚いたことがいくつもあるが、その象徴的な事例として今回取り上げたい。
まず第一に各国立大学法人が学長選考会議を開き決めたことに対し、形式上文部科学大臣が任命するということだから、文部科学大臣が決裁印を押せば済むことだと思うが、最後に決裁印を押すので、その前に担当者から私を含め約20人近くの決裁印が必要だということである。それだけでもまったく意味の無いお役所システムの典型だと思うが、今回はその内容について、私が大臣であれば納得して決裁印を押せないだろうという事例であった。
それは、滋賀医科大学の学長選考であるが、最初学内の意向調査(投票)ということで最多の支持を得た人がいたにもかかわらず、その後別のメンバーによる学長選考会議で、その結果が逆転し、得票の少なかった人が学長として選ばれたということである。
この国立大学法人の学長選挙の詳細については明日また説明するが、このようなシステムは問題ではないかと実は先週報告を受けたとき指摘をしておいた。そして今日すべての国立大学法人の学長選考が各国立大学法人によって異なっている説明を受けた。
それというのも私自身ふに落ちなかったので一般的な国立大学法人の選考について説明を受けたいということで、改めて資料を作って来てもらったわけである。そうしたら、今日始めてわかったことだが、実は滋賀医科大学の学長選考結果が納得できないということで訴訟問題になっているということを聞いた。
なぜ今になってその説明をしたのかも納得できないが、ことほどさように不明朗な学長選考が行われている国立大学法人があるということであり、それはそこの国立大学法人だけの問題ではなく、文部科学大臣が任命する以上、文部科学省の問題である。それにもかかわらず文部科学省の担当者たちが、何の改善策も考えていないというのは驚きだ。