精神の座はどこに

 古代では、精神の座は、心臓にあると思われていた。 たとえば、ミイラ作成の際に、 脳は鼻や大後頭孔(頭蓋骨と脊髄の接合部の孔)から抜き取られているが、 心臓には特別な注意が払われている。
 紀元前4世紀になり、ヒポクラテス派の医師により精神の座は脳であると経験的・観察的な根拠から主張した。
フランツ・ジョセフ・ガル(1758-1828)
 脳の局所ごとに機能を受け持つと考える局在論(大脳等能論と論争になる) が生まれはじめる。 ガルは、頭蓋骨の中にある大脳のその機能をつかさどる部分が隆起し、 劣っている部分は未発達になると考え、 その結果は頭蓋骨の形に影響を与えると考えた。
 この考えは、骨相学となり頭蓋骨の形状で、 精神活動を判定することになる。 骨相学が一世を風靡した結果、ヨゼフ・ハイドンの頭蓋骨が埋葬後に盗難に遭う事件まで起きている。

脳の構造

脳の構造
脳の機能分担
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