本成果は,科学研究費補助金基盤研究(C) No. 17K06046, No. 20K04156の支援による.
2023年12月版
CdTeピクセル検出器 は,
閾値電圧を変化させることでX線エネルギーを識別することができる.その仕組みは,上図のように閾値電圧が-200 mVから-60 mVへと変化するに伴い,
X線の閾値エネルギーが低い方へ変化する計数型の検出器である.しかも,CdTeを利用しているので,高エネルギー領域に適している.
画素数は201×191ピクセル,ピクセルサイズ0.2 × 0.2 mm/pixel,計数時間は1 μsecから100 sの範囲である.
左の図は,SUS304の透過白色X線像をCdTeピクセル検出器で測定し,60keV から80 keVのエネルギー閾値像に処理したものである.
CdTeピクセル検出器ツール (検出面積95x100タイプのCdTe検出器はこちらのリンクへ)
基本的には,すべてCdTeピクセル検出器から閾値を変えながら出力される大量の [img_i.txt]群からはじまる.1フレームで1シーンの場合は,まだ単純であるが,m × n の多数のフレームで1シーンを作成している場合は,ファイル群の数は膨大になる.そのためにツールが必要となる.ツールの基本を理解するには,CdTeピクセル検出器の基本的事項を知る必要がある.そのための資料がCdTe_Tool.pdfである.
CdTeピクセル検出器を利用するための基本的ツールは以下の4つになる.
- 基本的のツール CdTeで閾値をシフトしながら作成されたデータファイル群[img_i.txt]からImageJのファイルを作成する
- CdTeピクセル検出器の エネルギー較正のためのツール
- エネルギー像 を作成するためのツール
- 白色X線による二重露光法(ひずみ測定)のためのツール
- ビームラインBL16XUで単色X線による二重露光法(ひずみ測定)のためのツール.回折計にCdTe PILATUS-300Kを搭載したケース.
- ビームラインBL14B1で単色X線による二重露光法(ひずみ測定)のためのツール.相互相関法で効率よくDEMの処理できます.
- 斑点の重心位置を求めるのためのツール.search_peakシステム
- BL19B2にて単色でDEMを実施するためのツール(斑点専用)
これらのツールは,右図のようにgfortran (.f90),ImageJ のマクロ(.ijm)で構成されている.これらは,すべてMac OS 上で作動を確認しているが,windowsではgfortranのcall SYSTEM()がエラーになるので,そのステートメントを省いてコンパイルする.Mac OSの64bitに対応しているFijiを利用するのがよい.
リンクのプログラムは,すべてテキストファイル(UTF8, CR/LF)である.各自の環境に合わせてカスタマイズしてよい.
新潟大学 鈴木賢治
本成果は,科学研究費補助金基盤研究(C) No. 17K06046, No. 20K04156の支援によるものである.